前回の記事:税務大学校と心が折れかけた1日目【税務職員奮闘記②】
※このシリーズは税務署で5年間働いた僕が、税務職員として採用され、退職に至るまでのノンフィクション体験記です。
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改めて元税務職員の自己紹介
この記事を書いている僕は2018年の7月10日をもって税務署を退職したのですが、経歴としてはこんな感じです。
- 2013年 税務職員として採用され、税務大学校で研修を受ける
- 2014年 札幌の税務署に配属。個人の税務調査を3年担当する
- 2017年 北海道の地方都市に転勤。転勤生活に嫌気が刺し、辞めることを決意
- 2018年 7月に退職。現在は、東京のIT企業で働いている
たぶん普通にバレてるので書いてしまいますが、僕は高卒で採用された「普通科73期」の人です。研修を受けた場所は、千葉の船橋にある東京研修所でした。
辞めたので好き勝手書いてますが、あくまでも「税務署を辞めた人間である」ということを前提に読んでいただければと思いますm(_ _)m
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前回までのあらすじ
社会人生活の初日、税務大学校に入校したはいいものの、予想以上に厳しい環境で心が折れかける(折れなかったけど)
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税務大学校の班について
税務大学校のエピソードに入る前に、「これから税務職員になる人」に向けて、研修所の班の仕組みについて書いておきます。
税務大学校では、「班」という制度があります。
学校で言うところのクラスみたいなもので、1班あたり15,6人で、男女比は9:7くらい。1班につき、教育官という上司兼先生みたいな人が付きます。
班のメンバーは講義の席が近かったり、寮の部屋が一緒だったり、ともに行動する機会が多いので、仲良くしておいた方がいいです。たぶん、その方が楽しく過ごせると思います。
俗にいう「寝食を共にする仲」であり、必然的に交流は深まっていくはずです。
仕事をしていく上では、同僚と良い関係を築くのが大事なので、予行演習だと思って周りの人とうまくやれるようがんばってみてくださいm(_ _)m
それでは、4月1日に入校した後のエピソードの続きを書いていきます。
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税務大学校では、最初の1週間とにかく怒鳴られる
4月1日に入校した後、しばらくは研修の説明とか、就職した時の手続きとか、事務的なことをして過ごすことになります。
別に仕事や勉強をしているわけではないのですが、教育観補佐(通称:カンポ)に監視されていて、隙あらば怒鳴ってくるので精神的に疲れます。特に最初の1週間はマジでキツいと思います。
人によっては「こんなはずではなかった」と思って、すぐに辞めていく人もいます。それぐらい理不尽な1週間です。
割と公務員の研修はブラックな感じらしく、「国民のために奉仕する立場である」という建前を元に教育するスタンスが多いとのこと。自衛隊とか警察は、もっとキツいらしいです。
税務署は割とパワハラの多い職場です
当時は「怒鳴られたくないな」と思いながら耐え忍んでいましたが、よく考えたら辞めた方がよかったですね。
というのも、税務署に入ってからも圧力をかけてくる人が普通にいて、パワハラ気質のある職場だからです。
税務署は福利厚生や給料は割とまともですが、正直に言って、働きにくい職場かなと思います。
税務大学校を卒業したあとに聞いた話ですが、あまりにも研修生の扱いがひどいので、「人権を尊重するように」とのお達しが出たらしいです…笑
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ハンコの押し方ひとつで怒鳴られた件【6年経っても忘れられない】
これは今でも忘れられないエピソードなのですが、研修生を指導する教育官補佐(カンポ)に「お前はハンコをイチかバチかで押しているのか」と怒られたことがあります。
謎すぎる経緯は、こんな感じです↓
税務大学校では、紙の新聞を購読するように指示され、研修生は適当な新聞を強制的に購読させられます。
新聞を申し込むときには、申込書に住所・氏名などを書いてハンコを押すのですが、ハンコを押すのって意外と難しいんですよね。
当時18歳の僕はハンコを押すという経験がほとんどなかったので、押したはいいけどほんの少し印影がカスれてしまったのです。
幸いにも押し直し用の欄があったので、キレイに押し直して「これでよし」と提出したのですが、なぜか教育官補佐に呼び出しを食らいました。


たしかに最初に押した印影はカスれたものの、キレイに押し直したし、そもそも「イチかバチかでハンコを押す」とは…
まるで一撃必殺の技を外したみたいな怒られ方をしたのですが、怒り方が斜め上すぎますよね。
とりあえず怒鳴られると怖いし、言い訳したところで仕方がないので、「スミマセン」とだけ誤って事なきを得ました。

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税務大学校の入校式は4月5日
税務大学校には4月1日に入校したわけですが、入校式は4月5日でした。学校でいうところの入学式ですね。
税務大学校にも校歌がありまして、研修生は入校式で校歌を歌わされることになります。
研修生に覚えさせるために、毎朝寮の中で校歌が流れ続けるのですが、異様すぎて研修生同士で「こんな感じの宗教あるよね」という会話をしていたのをよく覚えています。
そして入校式当日、直前に式と校歌の予行演習がありました。ひととおりの流れと動きを把握し、校歌を練習するためですね。
小学校から高校までの学生生活で実感してると思うのですが、校歌ってダルいので誰もしっかり歌わないんですよね。
校歌を歌うのがダルいのは税務大学校でも同じで、研修生全員30%ぐらいの声量で歌っており、当然のように指摘が入ります。

歌い直しますが、やはり声が小さいので、教育官補佐が怒鳴ってきます。



公務員はどこか大人しそうなイメージがあると思うのですが、少なくとも税務署はバリバリ体育会系です。公務員なので許されてる感があるものの、民間だとブラック企業扱いされているはず…
大の大人に怒鳴られるのは怖いので、中には泣いている研修生もいましたね。
たかが入校式と思うかもしれませんが、偉い人が来る手前、教育官や教育官補佐にも指導者としてのメンツがあります。
偉い人に「何あれ」と言われるのは、指導者として困るので、研修生に指導せざるを得ないという仕組みです。
そして、入校式本番は怒鳴られた甲斐あって、無事に歌い終えることができました。
無駄な仕事は無駄だと思えることが大事
この記事を読んでくれている高校生や専門学校生に伝えたいのですが、世の中には立場の低い人にイヤなことを押し付けることで責任を回避する人がいます。
今回の校歌の件については、歌うのが研修生の仕事なので、一応仕事の責任は研修生にもあります。
しかし、校歌を歌うことには何ら生産性がなく、ただの儀式に過ぎません。要するにがんばっても無駄なことです。
無駄な仕事をしている時に、「この仕事は無駄では」と考えるのはとても大事だと思います。
「マジメにやっても仕方がない仕事だな」と思ったら、いっそのこと手を抜くのはアリですよ。
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入校式が終わってからが本当の研修生活
少し話が脱線しましたが、4月1日に入校し、4月5日に入校式を終えたところまでのエピソードでした。
入校式が終わったあとに、いよいよ研修生活が始まるのですが、長くなりましたので続きはまた次回にしたいと思いますm(_ _)m
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